神奈川県によるGTA3の有害図書指定に対してカプコンは法的対応も視野とコメント。
それに対してSCEは自主規制を強化する方針で、
CESAも販売自粛への積極的な施策の検討を決定した。
いやはや、この波及力は凄まじい。
まるで、業界は後ろめたく感じつつも売っていたみたいではないか。
当事者だけにカプコンの対応は毅然としているが、盟主のSCEやCESAがこれでは・・・。
CEROによる現在のレーティングは販売対象を強制するものでなく、ESRBに較べれば確かに弱いかもしれない。
しかし、販売対象まで限定することが現状に合った施策なのだろうか?
ゲーム業界が恐れているのは条例だけでなく、国からの規制に発展することだろう。
そうなれば憲法を盾に争う他無く、勝っても負けても甚大な有形無形の被害を被る。
回避するには自主規制で対処するほかは無いという判断か。
では、似たような事例としてソフ倫はどうであったのか?
1991年、
とあるPCゲームを中学生が窃盗した事件を契機に(その前に警察が動いていたという話もある)
発売メーカーが家宅捜索を受け、責任者が逮捕された。
警察から流通業者への指導もあり、業界で自主規制団体を設立。
それが、現在の「コンピュータソフトウェア倫理機構」、通称「ソフ倫」である。
販売前に内容を審査し、通過したものに認可シールを貼って流通を許可するという方式で自主規制を行っている。
これによって警察による摘発が確実に避けられる保証は無いが、通さなければ流通に乗せてもらえない=販売できないというわけだ。
入会金、月会費、審査費用及び支給シール代はメーカーの負担だ。
現在はソフ倫を脱退しメディ倫による審査、ホビボックス流通を通して販売するメーカーも出てきている。
これには理事になったメーカーの専横による審査の不公正、審査基準への不満等が原因とも。
何せメーカー同士で審査をするのだから、そこに透明性が確立されるのは難しい。
理事メーカーのソフトに対して規制が甘いなどと話題になったことも。
最近では脱退メーカーの関係者が「ジュベネイル・ガイド」という児童ポルノ規制を目的としたNPO
(特定非営利活動法人)を設立し、規制派の野田聖子議員を巻き込んで一騒動起こすという珍事件もあった。
なんともきな臭い話だが、利権が絡むだけに家庭用ゲームでも同様な事にならないとも限らないだろう。
現状の話に戻すと、家庭用ゲームでは
・プラットフォームホルダーの自主審査
・CEROの審査(CESAの倫理規定適用はCEROに委ねている)
であったところに、今回の神奈川県が乗り込んできた形だ。
今後はSCE及びCESAが小売側と協力して販売を自主規制してゆくことになるだろう。
小売側としては身分証確認は仕方ないとしても、棚を分けるとなると物理的に厳しい。
何よりイメージ戦略において、年齢制限ソフトを置いてるというのは中々に悩ましい問題でもある。
結果的に取り扱わない店も出てくることだろう。
流通大手でもあるSCEが自粛を求めてきたことに対して無視するのは難しい。
自主流通メーカー大手のコナミやセガ等は態度を示していないようだが・・・同調するようであると更に厳しい状況になるだろう。
行政、SCE、CEROの審査が重なるとなると販売戦略上において難しくなり、
メーカーは表現を消極的にする方向に動きそうだ。
となれば、ESRBのようにCEROで一本化したいのだが、認知されるのにESRBでさえ10年かかった(六百デザインの「嘘六百」)という。
ゾーニングに熱心な北米でさえそうなのだから、日本で定着するには時間がかかるのではないか。
業界側としては性急に進めず、行政と折り合いを付けつつ対処して欲しい。
ソフ倫を反面教師として。
・・・ぶっちゃけ、「GTA3」
が18禁指定というのは馬鹿らしい。
高校生が影響されて「ヒィヤッハアァァァー」と「北斗の拳」における雑魚風に叫びながら暴力事件を起こすとでも?
そんな輩はGTA3どころか「名探偵コナン」を見ても同じ事をするだろう。
そもそも、GTA3は松沢知事が「人を次々に殺していくゲーム」と表現する内容ではない。
やろうと思えば可能だが、その間には大きな溝がある。
恐いもの見たさで、知事に「真・三国無双」や「MGS3」を遊ばせてみたいものだ。
前者は人を殺しまくらなければ進めないが、後者は隠れたり麻酔弾で戦闘を避けることが可能だ。
では「真・三国無双」は有害図書だろうか?
いや、現実感で言えば「MGS3」も問題ではないか?
ちなみに、ESRBでは「DynastyWarriors5」がTeenで「MGS3」はMatureだが、CEROでは「真・三国無双4」はCERO12で「MGS3」
はCERO18になっている。
知事は治安対策を公約に挙げており、県民フォーラムでもそのように挨拶している。
まずは手っ取り早くて効果が分かり易く、圧力に弱いゲーム業界に目をつけたのだろう。
「ゲーム脳」のような戯言に面と向かって反論できないほどなのだから。
もう、事なかれ主義では通せない段階にゲーム業界は来ているようだ。
販売する側としては今回の規制は馬鹿らしいが、これを契機としてCEROレーティングの認知を図ってもらえればと思う。
確かに小学生が一人でGTA3を買いに来たら悩むのだが(保護者連れで買われる場合もあった)、
綺麗な物だけ与えていれば健全に育つというものでもないだろうし、娯楽は多かれ少なかれ何らかの影響は免れないと考えることにしている。
ちなみに、話題のGTA最新作「サン・アンドレアス」は輸入版が販売開始(アキバblog)している。
皮肉なことに、神奈川県のニュースがあたことで売れ行きが好調だそうだ。


